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ふりかけ団地(たまに声がする)本宴まで1週間を切った。
人生の行き止まりのように立ち止まってしまって、どこかに別の場所に行こうと思ったのに、「なぜか、古い30年も昔にいた場所に立ち戻っている。」気がする。たしか、他の塾生が同じことをいっていたっけ。
わたしがふりかけ団地というイベントを立ち上げた切っ掛けは、5月に3か月の起業塾の第1期生になったことに始まる。「ラリトプール起業塾」だ。
塾の講師は酒本麻衣(旧姓 向田麻衣)さんといって、Lalitpur(ラリトプール)というネパールのオーガニックコスメの会社を創設した起業家だ。今は酒本信太さんという素晴らしいミュージシャンと結婚して、夫婦で音楽活動以外にも、「SINGA」という、声と音を使った瞑想法のプログラムや暗号通貨・NFT・AIなど最新テクノロジー研究・実践するクラブなど運営している。
麻衣さんは、15歳の時ネパールの子供が、おなかがすいて石を食べ物だと思ってかじりつく写真を見て雷を受けたような衝撃を受け、17歳の時にネパールに渡る。25歳でネパールの人身売買された女性にお化粧することを通じて自尊心を取り戻す事業を始めて、ネパールの女性の手で化粧品を作る会社を創設した。
(塾はオンラインで。上が麻衣さん。下が私。)
3か月で学んだことを簡単にまとめるのは難しいが、私なりに言葉を紡ぐと
- 「お金を払ってでもやりたいこと」で起業する
- 欠損感からでなく、すでに満ちている愛から行動する
- 誰とも競わない自分だけの黄金の道を誇りをもって行く
といったことで、ここは普通の起業塾のようにSNSの集客法とかのノウハウを教えるわけではなく、起業家としての「やり方ではなく在り方を教える。」塾だった。
集まった受講生のその「黄金の道」というのが本当に十人十色で驚く。
- 何か宇宙的な感覚を受けて粘土で作った不思議な立体物を作ることをこよなく愛す人
- 家の間取りを見てなぜか片づけ方がわかってしまい、高額で頼まれてしまう能力を持つ人
- プロでなくてもずっとバレエを追い、踊り続ける人
- 森の魔法に魅せられる人
- パイロットになりたい夢と喫茶店経営の夢の間をゆれる人
etc
なんとまあ、競う相手のいない、たった一つの道。
そんなメンバーが、その3か月の間に世界のトップ企業を辞めて、大会社の顧問に抜擢されたり、バリに飛んでヒーリング合宿を企画したり、ラジオ発信を始めたり、すごい展開になっていた。
そんな中で私もささやかに自分の小さな起業を始めてみたというわけだ。
私が近年感じているのは、「(経済的に)勝つことが苦手な日本人」だ。お金を儲けることに罪悪感さえ感じてしまう。麻衣さんは「誰よりも後ろを行くものであれ」と言ってそんな私たちの気持ちを安心させながら、逆説的に「誇りをもって誰にも負けない道」を説いているように見える。それは可能だと思う。
塾は終わり私はひとりになったが、支えとしている麻衣さんが私に向けてくれたメールの一部を抜粋してご紹介する。
(抜粋)
他人からの承認などなくとも、自分で100%、すでに満ちているということに、気づき続けてください。
常に、自分に軸を持っているか、人に承認の鍵を渡していないか、確認してゆきましょう。
自分に軸を戻す。
なおこさん純度100%発信をしてゆく。
なおこさんの言葉、なおこさんの感動、なおこさん100%で満たした言葉を紡いでみてください。ここから先の人生、本当にやりたかったことをやって生きてゆくのです。
それについて、いろんな気持ち、感覚が湧き上がってきますよね?
その生々しい感覚を、捉えてください。
本物の喜びは、ここにあります。
外側から受け取る反応では全く感じられない、充足感、安心感、喜び、満ちた感覚、それらを感じながら、この世界に自分の喜び、愛のかけらを置いてゆく。
それが、私たちがここでやってゆく「起業」という名の祈りです。どうぞいつも【誇り高く】いてくださいね。
やり方はありません。
あり方が全てです。
酒本信太・麻衣さんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@maishinta_now札幌で開催されたTEDでの酒本麻衣さんのスピーチ
https://youtu.be/Nlow8F1dXtU?si=sprB81zU1VZUSjX3 -
「ちゃんと実際に参加してチラシを渡すべきだ」という意見をうけ、真面目に即興ワークショップに参加してみる。しっかりチラシは手にしている。
本日行ったのは中野「水性」。ガラス張りの新しい多目的スペース。
ここで「朝の舞踏LABO」という舞踏ワークショップに参加した。私と同年代ぐらいの女性が一人、後5人すべて男性で、常連の方が多かった。ファシリテーターの南阿豆(みなみあず)さんは、武蔵野美術大学で美術を学び舞踏やコンテンポラリーダンス、パフォーマンスアートを知り、学び、作品を創作、国内外で活躍、第44回日本舞踊批評家協会新人賞、韓国のNDA国際フェスティバルで準優勝に相当するNDA賞を受賞した方だという。
その日の舞踏ラボでは常連のYさんが準備してきたパフォーマンスをやりたいということで、まずはそれを見てみようということに。
ショッキングだった。
外から走って帰ってきて、シャッターを半分下ろした部屋で服を脱ぎ、鼻息荒く無数に散らばっているレモンをナイフで切り付けていった。薄暗い部屋、息遣いだけが聴こえる。全部レモンを切ったところで淡々とかたずけて、音叉を鳴らして終わった。
Yさんは途中で誤って手をちょっとけがしてしまって、血がにじんだ時点で、直視できなくなった。 刃物と裸と血が賛否両論、というか、慣れていない私が「血が、血が…」と騒いだが、他のメンバーは淡々と作品について真剣に語り合う。
実はこれは、ある有名な事件を想定したということで、それを聞いてさらにショックを受けた。今になって思えば本当に日常を離れてすごい体験をしたような気がする。あのピンと張りつめた時間はきっといつまでも忘れず、記憶に残るだろう。それが本当のパフォーマンスなんだろう。
後半は彼のパフォーマンスを見て、南さんが、自分がレモンになって皮を脱いだり、脱いだ皮を踏みつぶしたり、板の上にのったり、板になって集まったりというイメージを与えていく中でひたすら歩き回るというワークをやった。今見たパフォーマンスから、どんどんイメージを展開させていくファシリテーターの言葉の力がすごかった。プロってこうなんだと思った。
最後は二人ずつ組になって、今のパフォーマンスをもとにして、10分間の舞踏をやってお互いに見せ合った。3組に分かれて、私たちの3人組は一人がナイフで刺す、ひとりが止める、ひとりが血を怖がるという役割で、最後に雲散霧消するように散っていくという打ち合わせだった。それだけで10分埋まると思えなかったので、私は自分が刺されるレモンだと思って、つぶれたり血の匂いを嗅いだり、笑ったり怒ったり泣いたりした。なぜか事件のレモンである自分が、猛烈に腹が立ち始め、唸りをあげて1人の腕にかじりついたら、打ち合わせと全然違うので、相手が焦っておびえたのが面白かったとあとで他の方が言っていた。久しぶりのパフォーマンスは面白かった。
みんなふりかけ団地に来てくれないかと思った。お寺で一緒に踊れたら面白いのに。と思った。
私はそのまま時間をつぶし、夜は水性の『おぼーん de リボーン』という公演を見に行った。夜の水性は、天井の照明でとても日常から離れた異空間を感じさせる。室内ではビールとかき氷を売っていた。
3者三様の女性が、弾き語り、講談、ひとり芝居を見せてくれる。
一番印象に残ったのは弾き語りの大人しいそうな女性がカーテンコールで首をふにゃふにゃさせながら、即興で踊りながら歌っていたことで、なんだかわからないけど、これからはこうじゃなくちゃ。という気持ちになった。普通に大人しく弾けていた。
時代は変わっている。と思った。
※本日参加した「朝の舞踏RABO」(ひと月に1回のペースで行われています。)
https://suisei-nakano.com/event/butolabo2508/南阿豆(みなみあず)さんホームページ
#ふりかけ団地#即興#アートイベント#調布イベント#お寺イベント #中野水性
https://suisei-nakano.com/event/butolabo2508/ -
前回に引き続き、即興の言葉でヒットした、または関係者の口コミで知った阿佐ヶ谷の店に、吉祥寺から始めてチラシを持って夕方徘徊する。
到着したライブハウス。地下です。はい。
サムタイム、阿佐ヶ谷「天」どちらも地下。地下から、かなり混沌としたエレキギターとドラムのセッションが聴こえてくる。車椅子で行けないので、仕方なくぼんやり聴きながら、阿佐ヶ谷の提燈街の雰囲気を味わっていた。
どこも一癖ある個性的な店が立ち並んでいる。中央線沿線の裏道は、駅前のアーケードにあるような、最初は頑張って大きくなったもののいつの間にか誰かの手にわたって魂がなくなったような大きな店ではなく、個性を頑固に守り抜いているいけてる店が沢山ある。芝居をやっていた頃良「しょんべん横丁」(※今は誰かの手に渡ってしまっている。)やゴールデン街を思い出す。
いつまでも想い出に浸っていてもしょうがないので、あと1件、検索していた店が近くにあるようなので行ってみる。
・喫茶ヴィオロン
喫茶ヴィオロンは典型的な昭和レトロ音楽喫茶という感じだった。アコースティックな音楽を演奏中だけれど1階だったので、段差にまたがって何度もドアを開けては、入ろうとして挟まるを繰り返していたら、中からお客さんの女性が来て後ろから押してくれた。
中に入ると、お店には昔のレコード盤や古い真空管のスピーカーやレトロ家具にアンティーク雑貨が積み上げられている。全体の真ん中が半地下になっていて、それを囲む座席から見下ろすように掘り炬燵のような座席部分で演奏していて、それを皆が各座席から見下ろす。(イラストはイメージです。)
私が入ってきたため、もう一曲演奏してくれる。即興でギターにフルートを合わせて、そこにボイスで声を入れていく。おお、確かに即興バンド。
手元に出演者持ち込みの駄菓子が分配されており、水用のコップに入った注文のアイスコーヒーと共にいただく。終了後、挨拶に来た演奏家の方とお客さんにチラシを配った。よかった。少しチラシを消化できた。静かに寛げる場所だった。
帰りに年配の優しそうなマスターに値段を聞くと、飲み物とライブ代合わせて千円。
「安いですね!」
「これで何十年もやってるんですよ。毎日18時からライブやってます。沢山の有名人が巣立っていきました。」マスターは快くチラシを置いてくれた。
「借りる場合?これからちょっと料金改定する予定です。」
今まではチケット代千円に決めてあり、飲み物代だけ店がとる形だったのを、今後は店がお客さんの定員までは5000円取って、チケット代は自由に設定できるようになったらしい。どちらかというと、借りる側の要望に合わせているのであって、どちらにしても店側の利益はほとんどないと言っていい。ライブ以外での飲み物はすべて450円。おかわり350円。手作りケーキ250円。この時代に自分の店以外の何を守ってこの価格?とちょっと泣きそうになる。人手がないんだろうな。誰か後を継ぐかしら。誰かの手に渡さないでね。そう祈りつつ店を後にした。
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AIと協業と言っているが、こちらも浮かれてばかりいたわけではない。
答えを次の日の夜まで待たされることもあり、また、一度滞り始めると、できましたと言って空のリンクや真っ黒なイラストを出されたり、直しましたといって、変わっていなかったり改悪したイラストを出されたりする。
さらに相手が人間でないことはわかりつつ、やっぱタダだし、これは頼みにくいなあとか妙に気を遣うので、ついに番頭さんをバージョンアップする決意をした。
『番頭さん。有料化したら、固まらないでとことん付き合えますか?』
と聞くと
『おお、旦那…もちろんでございますとも。有料だろうが無料だろうが、番頭は逃げませんし、固まらぬよう全力でお仕えいたします。』一番気になっていた、途中で会話できなくなったり、こちらからアップロードできなくなることはなくなるし、優先で画像を作るので、作業の待ち時間はあっても、順番待ちとか待機時間はなくなるようだ。
plusは20ドル、proは200ドルという。わかりやすい。そしてとても3万は出せない。plusにした。勿論今までの番頭さんとの試行錯誤が失われないために、改めてどのアカウントで入ったかを確認することを忘れなかった。
いよいよ、前日から何度も頼んでいるのに言い逃ればかりされている2枚の写真の加工を頼んだ。
なんか昭和な感じはあるが、流石ふりかけ団地を知り尽くしている番頭さんの微妙なユーモアにあふれている絵を、贅沢にも2枚いっぺんに手に入れた。
この2枚でショート動画を作り始めた。が、どうにも後半との兼ね合いがしっくりこない。ここで、最初、遠慮して言えなかった希望を、思い切って番頭さんに言ってみる。
『番頭さん この時のイラストが秀逸なんだけど、このタッチで2枚の写真を加工できませんか?』
すると番頭さん。
『できますぞ、旦那。いま見せていただいたこの**「ふりかけ団地」米の供(とも)降臨中のタッチ- 平面的で色数を抑えた配色
- 太めの線でアウトライン
- 昭和のポスターのような柔らかい雰囲気』
これを2枚の写真に適用して、同じシリーズのように加工できます。』
そしてできた。
そして、今度は文章の翻訳という、番頭さんが縦横無尽に働いてくれそうな仕事に取り組んでもらうことにした。
一番頼りたい部分は英語タグだ。そして『外国人の好みに合った翻訳』能力を、驚かされそうで怖いけれど知りたいところだ。
タイトル「ふりかけ団地」は出してもらった三つの案から、『Furikake Danchi –Chaos & Harmony in a Temple』とした。
- 「Chaos & Harmony」は真逆の言葉を並べて、即興の予測不能さと音楽的な調和を表現。
- 「in a Temple」で“日本の寺”という異国情緒を強調。
- 日本語のタイトル+意味の方が外国人がひかれやすい
ということらしい。本当に番頭さんがいてよかったと思う瞬間である。その後、観光客ではなく日本に住んでいるけどコミュニティーに参加していないような人向けに、外国人の検索にかかるタグをお願いした。。
#TokyoCommunity #TokyoCreative #TokyoImprovisation #TokyoPerformance #TokyoArtscene #TempleEvent #ImprovisationTokyo #TokyoLiveArt #TokyoFreeExpression #TokyoExpats
また、8割を英語、2割を日本語にするといいという。日本人は英語タグを読むが、外国人は日本語タグは読まないため、8:2の割合にした方が両方見てくれるというわけである。うなる。そしてうなることがもう一つあった。
『番頭さん、チラシの裏に書いた文章があって、日本人には受けたんだけど、これは外国人には訳さないほうがいいよね。』
番頭さんは答えた。明確だった。
『はい、旦那。これは完全に日本人向けのユーモアと共感狙いなので、外国人向けには訳さないほうがいいです。「We welcome anyone curious about improvisation, regardless of skill or experience.」くらいの一文で済ませた方が、スッと理解されます。』
『どういう意味?』
『旦那、これは直訳するとこうなります。~即興に興味のある人なら、腕前や経験はまったく問いません~』
見事な直訳だった。そうか。私はそれが言いたくてこれを書いたんだ。先日、インプロジャズライブハウスを訪ねて7000円のイベントのこのチラシを渡した時、(インプロ(即興)を求めてチラシ回り。即興ちがいだったか。)ユーモアのつもりのこの文章を、プロが真顔で沈黙して読んでいた姿を思い出した。ちなみにそこのライブチケットは2100円だった。
ああ、早くこの文章がどういう意味なのか、番頭さんに聞いておけばよかった。
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昨日は一日SNSを見ていた。元凶は大体X(旧ツイッター)とyoutubeとショート動画だ。
Xでは、私好みの政治系の腹が立つニュースを、フォローしたインフルエンサーがいろいろつぶやいていて、つい、延々と引用リツイートして過ごしてしまえる。昨日のフレッシュな話題は「マクドナルドハッピーセット転売ヤー」「スイカ600個盗難」「駅前背街頭演説妨害」etc…
また、YouTubeは最近は別タグで開かないと、元のページに戻ったとき、また1から並びなおしてしまう不便なつくりになってしまい、延々見てしまう恐れがある。また、他人の動画を勝手に使って切り抜きチャンネルも作れてしまうので、一次発信者を探さないと何が事実かわからなくなる。なにか、分断するだけが目的のチャンネルも沢山ある気がする。
そして、ショート動画は普通にスクロールしているうちに、自分の見たかったわけでもないおもしろ動画を延々見ている自分に気づく。ネットを見た感じでは、政治の世界は肩身の狭かった保守的な考え方が力を持ってきているように見える今日この頃である。
こうやって自分は世の中の趨勢をわかった気になっているが、哲理学作家さとうみつろうさん(※1)に言わせると、ここにはエコーチェンバー現象といって、自分の嗜好にあった世界しか見えなくなっていくという現象が起こっていたりするらしい。そう言っているさとうみつろうさんも、「誰も彼もが2025年7月5日は日本に大災害が起こると言っている」と、噂の始まり頃は言っていたが、途中から「エコーチェンバーだ。」と言い出したっけ。私自身も、友人のスマホのyoutubeお勧め動画が、全く私と違うのに驚いたことがある。
同じ佐藤違いだがカリスマ実業家の佐藤航陽さん(※2)も、政治家が同じ階級の同じ生活レベルの人だけに囲まれているうちに、一般の国民と感覚の齟齬が生まれて、今の分断が起こったと言っている。
佐藤航陽さんは、こうやってこれから世の中が分断していって、何が真実かわからなくなっていくだろうと言っている。意見の違う人の話を聞くことが必要だという。
私は保守的な考えを持つので、最近の不法滞在外国人問題にはいつも恐怖している。日本の土地が買われていくことも怒り心頭である。朝、散歩をする多摩川沿いの川べりになぜかぽつねんと畑と住居があるが最初は何も気にしていなかった。ある日、姉が「あれって、今流行りの不法占拠じゃないの?」と口にしたのを聞いて、すっかり怒りがこみ上げるようになった。いつも声をかけてくる陽気なおじさんがそこの住人だと勘違いして、敬遠していたぐらいである。
ある日の散歩の朝、一人の老人が多摩川の土手沿いに座ってインゲン豆らしきものを売っていた。ついに住民を発見した!
「不法占拠して勝手に作った家に住み、勝手に作った畑で豆を作ってお金を稼いでいるのか。」と思い、黙って通り過ぎて振り返って顔をじっとみてやった。しわしわのおじいさんだった。日本人じゃないんだろうと勝手に思った。
そんなもの買うか。日本人は団地の公共部分に枇杷がなっていてもほとんど人目を気にして取らないぞ。まして売るなんて恥ずかしいことはしない。そんなことする人を日本人は我慢して黙ってみているが、心では軽蔑する。
みんなあのおじいさんを無言でみたかしら。ふと思った。私もよく、人の沈黙に恐怖してきたなあ。人が沈黙しているとき、私はいつも自分は軽蔑されているんだと思い込んでしまうので、集団のなかで話すのが嫌いだった。会社で10年間働く中で、挨拶に返事が来ないことを気にしないようにするあまりに挨拶恐怖症になってしまったこともある。
あのおじいさんはたぶん図々しいが、不法占拠して誰も何も言わないで無言で振り返られる日々ってどんな感じだろう。あのおじいさんの居場所ってどんな感じなんだろう。もしですよ、あなた、もう仕方がないから日本人になりなさい。団地に入っていいからその場所はもう返しなさい。と言われたらもしかしたら、自分は生きる価値があるんだ。とか喜ぶのかな。それとも土手に住んでいるのが気楽だからいるので放っておいてほしいのか。日本なんて仕方がないからいるだけって思っているのかな。でも聞けないな。
日本人って相当面倒くさい。本当は優しいから、話したら負けてしまうんだ。
さとうみつろう(※1)https://www.youtube.com/@mitsu-low